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夜が長くなるにつれ空き巣リスクが増加する?!

知識・ノウハウ
2025.12.12

夜が到来し、暗い時間帯が長くなる時期特有の防犯対策とは

仕事や学校が終わるころには、周囲は予想以上に暗く、冬の本番を感じます。それでも街は商店の灯りやイルミネーション、自動車のヘッドライトといった眩い光があふれ、賑わいを感じます。しかしその一方で、多くの方は自宅に近づくにつれ、街灯が減り、寒さと相まって、一抹のさみしさや不安を感じる季節ではないでしょうか。そのさみしさや不安の原因のひとつは、暗闇から迫る犯罪リスクなのかも。今回は、冬の時期、特に日没が早くなる11月~2月頃に増える防犯リスクとその対策を、実践的かつ専門的な防犯機器・錠前専門店のプロの視点でご紹介します。

冬に増える防犯上のリスクとは

警視庁の調査によると、冬~春の時期は空き巣被害が増加する傾向にあります。冬の慌ただしさや外出留守の増加傾向などの原因も考えられますが、冬は暗くなる時間帯が長い季節でもあり、防犯上で視認性が悪いという難点が挙げられます。

日没が早まることによる侵入窃盗被害の増加

冬は夕方17時前後には暗くなりますし、曇天や雨天など天候によってはもっと早い時間帯から薄暗くなります。家の明かりの有無によって不在の家が判別しやすかったり、誰にも見つからないように作業がしやすかったりするわけです。特に20時くらいまで、まだ帰宅していない家庭を狙う「夕方狙いの空き巣」が増える傾向があります。

暗闇を利用した侵入

たとえ街灯が近くにあっても、点灯時刻の前はかなり暗いはずですし、街頭の光が届かない場所もあります。建物の裏は影になりますし、光が分散する建物が近くにない場所は、さらに暗さが増すこともあります。暗さや見えにくさを逆手に取った犯行が発生しやすくなるというわけです。


暗闇を利用した侵入

潤滑剤の固化、結露や凍結による鍵トラブル

冬の暗さだけでなく、寒さや気候も防犯に影響を与え、玄関ドアのシリンダー内部の結露や凍結、金属の収縮や潤滑剤の固化などにより、屋外の南京錠や門扉錠の作動不良が起こりやすくなります。その結果、「鍵が回らない」「鍵が鍵穴に入らない」「施錠・解錠に時間がかかる」といったトラブルや事故が発生しやすくなります。

気持ちの緩み、防犯意識の低下

年末のあわただしさや気分の上昇で、いつもなら余裕をもってできていたセキュリティ面での確認事項をつい省略する事態が起きたりします。寒さから「鍵の開け閉めがおっくう」「ちょっとの外出なら」と施錠を怠るのはもってのほかです。

本格的な冬到来の前に、おすすめの防犯対策

照明による防犯強化

暗闇での犯罪防止に、玄関・勝手口・ベランダ・駐車場などの場所には、夜間に人の動きを検知して自動点灯する人感センサーライトの設置を検討しましょう。
また、タイマーライトやスマート照明を活用することによって、外出時もランダムに点灯・消灯させることができ、在宅を装うことができます。
門柱灯・表札灯の照明は、LED化するのがおすすめです。低消費電力で今以上の明るさを維持できるようにしましょう。

鍵や錠前、設備の更新と導入

古い鍵や錠前をご使用の場合は、ピッキングやサムターン回しといった侵入手段に強いディンプルキーや電子錠への交換や補助錠の設置、防犯サムターンやカバーの装着などの対策があります。
ドアだけでなく、窓のロックも要注意。クレセントや補助錠を確実にしめ、ドアガードやドアチェーンなども、きちんとかけるようにしましょう。ガタツキやサビが目立つ場合には、取り換えもご検討ください。

防犯カメラや録画機能の活用

録画機能付き防犯カメラも人気の防犯設備です。これに人感センサーをプラスすれば日中も夜間も心強く、スマートフォンで確認や録画ができる連動タイプなら、外出先からでもチェックが行えるので、さらに頼りになります。


防犯カメラ

鍵の作動不良の対策

鍵が回りにくい・抜けにくいといった状況には、シリンダー(鍵穴)内部に使う鍵専用の潤滑スプレーを使用します。有名な防錆潤滑剤は、油系の成分のため、シリンダー内でホコリがべたつき固まって故障やトラブルの原因になります。用途に「錠前」や「鍵」と記載のある粉末潤滑剤を選びましょう。また普段から、濡れたり汚れたままの鍵をそのまま差さない、古い鍵は早めに取り換えるようにしておきましょう。
屋外の錠前には、防塵・防滴カバーやシリンダーキャップといった異物の侵入を防止するアイテムもおすすめです。

冬や夜間特有の困りごとと対策

夜が長いことに起因する、冬や夜間特有の小さな困りごとは案外あるもの。その対策をまとめました。

「暗くて鍵穴に鍵が差せない!」

近くに街頭や玄関灯がない、もしくは光量が足りないために鍵穴に鍵が挿せないという場合は、話題の最新装置スマートロックへの交換はいかがでしょう。スマートフォンや暗証番号で解錠できるタイプなら、暗い中で鍵穴を探す必要がありません。
ほかには、蓄光タイプのシリンダーに交換したり、LEDライトが光るキーカバーを付けて、鍵を懐中電灯代わりにすることも可能です。

「南京錠の番号が見えない!」

手元が暗いために小さなダイヤルの番号が見えず、なかなか施錠・解錠ができないといったトラブルも発生します。そのようなシーンには、番号の文字が読みやすいビッグダイヤルタイプの南京錠や、指紋認証式のスマート南京錠などがおすすめです。

「凍結で鍵が回らない!」

外気温が低下したり、屋外錠で雪や雨に濡れ、凍結したりといったトラブルには、鍵穴専用凍結防止剤の使用や、シリンダーを防滴カバーで覆って、水やホコリの侵入を防ぐといった対応が有効です。

「帰宅時に手がかじかんで解錠が難しい!」

寒さの中、かじかんだ手で鍵を回すのもままならないといったケースには、指紋認証・暗証番号、センサーに近づけただけで解錠できるタイプなど、小さな動作でパッと開けられるスマートロックも有効です。ハンズフリータイプなら、鍵をバッグやポケットの中にいれたままでも解錠できるため、ベビーカーや荷物などで手がふさがっている時にも便利です。


小さな動作でパッと開けられるスマートロック

「そもそも暗いのが不安!」

家の前の通りや玄関が暗く、帰宅時に鍵を開ける瞬間が不安といった課題には、人感センサー照明やセンサー付き防犯カメラなどを設置するケースが増えています。

忙しくなる年末年始前に点検を

一年で昼が一番長い6月夏至から始まって日に日に昼は短くなり、秋分で昼と夜が半分ずつ、それを過ぎると一気に暗くなります。気になる頃には年末年始も近くなり、多忙な季節です。その頃では面倒になるかも知れませんので、ぜひ早いうちに、鍵や錠前まわりの点検を行いましょう。
防犯は、危険な状況になってからでは行えないシーンも多くあります。日頃から防犯に気をかけ、事前に対策を行っておくことで、いざというときの安心材料となります。
安全快適に暮らすために、防犯対策にお悩みの際は、お近くの街の鍵屋さんにご相談ください。錠前と防犯のプロがお悩みに寄り添ってご提案をいたします。

※「錠」と「鍵」の表記について
錠前(錠・ロック・lock)は、扉などに取り付けて締める金属、機械的または電子的な部品をいいます。鍵(かぎ・キー・key)は、錠前を施錠・解錠する(操作する)ための器具をいいます。ここでは便宜上、日常的な会話に合わせて、鍵と錠前をまとめて「鍵(かぎ)」と記載している場合があります。